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映画「メメント」と退行催眠と後天的性格

投稿日:2021年1月5日 更新日:

職場の同僚から「メメント」という映画が面白い。最初は眠くなるけど見たほうがいい。と言われた。
初めて聞くタイプの勧め方だったので、心の片隅にだけ置いておくことにした。

美容師でもある別の友人に「まっちょさんなら、メメントという映画を紹介したい」と言われた。

あぁ、これは見たほうがいいタイミングなのだなと感じ、見ることにした。

詳しいことはWikipediaを参照していただければと思うのだけれど。

要するに、10分しか記憶できない男が、妻を殺した犯人を捜す物語。
重要な情報はインスタントカメラで撮った写真にメモをしたり、タトゥーを入れて、犯人を捜すという物語。

特殊な点は、物語はいわゆるエンディングのシーンから始まり、徐々に過去のシーンへ戻っていき、最後にオープニングを描くという点。
つまり、「A→B→C→D」じゃなくて「D→C→B→A」という順番に描かれていく。

この映画を見て、最初に感じた感覚は退行催眠を受けているようだなというものだった。
退行催眠を受けたことはないんだけれど。

その前に、人間には、先天的性格と後天的性格があるということを知っておいて欲しい。
先天的性格とは、生まれながらに持つ特性。
後天的性格とは、人生のステージは、家族からご近所さん、学校の友達、バイト先の人と、徐々に増えていく。
この各ステージをうまく生きるために身に着けた戦略的性格のことを指す。

後天的性格は、いつしか身体に染みついて、何でそんな性格になったのかも忘れてしまう。
そんな後天的性格のせいで、生きにくくなった人が受けることがあるのが退行催眠だ。

これが、主人公の入れたタトゥーのようであり、写真に書かれたメモと重なり。
逆順に進む映画の構成に重なるように思うのだ。

たぶん、世界中の多くの人が彼のように心にタトゥーを刻んでいる。
そして、映画のラストに分かるような選択をしてしまっているのではないかと思うのだ。

生きる意味を失いたくないがために。

いつか彼はこのループから抜け出れるようにも思える。
でも今は、彼は夢中でいたいのだろう。失った痛みを感じないで済むように。
目的がないと生きていけないのだろう。

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